梅毒は正しい量のペニシリンを正しい期間使用すれば完治する病気です。ただし、完治後一つだけ問題があります。それは完治後も梅毒検査では陽性反応が出続けてしまうということです。
そもそも梅毒の検査方法にはおおまかに2種類あり、それぞれTP検査・RPR検査と呼ばれています。
→梅毒の検査方法
検査法の紹介記事でも記載したように、一度梅毒になった方の抗体の数値は陰性の数値まで下がることはないので(正確には、RPR検査は完治すると陰性化しますが、TP検査は完治後もほとんどの場合陽性を示します。梅毒1期から早期治療を始めた方はまれにTP検査で陰性化することもあります)、献血時の梅毒抗体検査だけでは現時点で梅毒に感染中なのか、それとも過去に梅毒感染して現在は完治しているのか、その判断が非常に難しいのです。
そのため、日本赤十字社のホームページには「献血をご遠慮いただく場合」というページがあり、このページの下部、病気や治療等の経験という欄に”梅毒、C型肝炎、又はマラリアにかかったことがある方”という記載があります。
献血前に記載を求められる問診票にも、”今までに次の病気にかかったことがありますか”という項目があって、梅毒も含まれています。
当たり前のことですが、少しでも感染の疑いのある血液を使うことは出来ないので、一度梅毒陽性になってしまった方は献血を受けられないのです。