梅毒はキスでも感染すると言われているくらい感染力が強いです。一般的な感染経路と実際の症例を見ていきましょう。
主な感染ルート
性行為感染
梅毒の感染経路は限定されており、皮膚の微細な傷口からの侵入や、粘膜、血液、体液と直接接触することが主な感染原因となっています。具体的には、膣性交やアナルセックス(肛門性交)、口を使用した性行為(オーラル・セックス)やキスによる接触です。なぜキスでも感染する可能性があるかと言うと、梅毒の場合、口の中に症状が現れる場合があるためです。梅毒性粘膜疹(ばいどくせいねんまくしん)と梅毒性アンギーナといわれる症状がそれに当たります。
梅毒は特殊な状況での感染だけでなく、日常生活の性的行動で誰でも感染する可能性があります。特に恐ろしいことはキスでも感染させてしまうため、性行為の経験がない子供にも感染させてしまう恐れがゼロではないということです。
母子感染
妊婦が感染している場合は胎盤を介して母子感染し、母体が無治療の場合には40%の児が死に至る可能性のある重篤な疾患です。梅毒感染妊婦に対しては, 病期に応じた適切な治療を分娩4週間前までに完遂することで, 先天梅毒の発生を予防することが可能とされてます。
妊婦の治療が完遂せずに死産や流産にならずに生まれた場合、梅毒感染による障害が見られ、これが先天梅毒と呼ばれます。障害の程度は、感染の期間によって異なります。
血液感染
血液感染は、感染者からの血液や臓器の提供、または感染者の傷口への接触が原因として考えられます。しかし血液や臓器の提供は、医療機関が輸血・移植しても問題ないか精密に検査を行っています。また、感染者の傷口に触れることも日常生活で滅多に起こるものではないので、これらの理由から、血液感染が起きることはことはほぼありません。