性感染症は病気という側面とは別に、人間関係まで波及して問題を引き起こす危険性があります。それはパートナーへうつしてしまう可能性があるからです。
パートナーへの伝え方とケア
浮気をしてしまったケース
一番問題なのは特定のパートナーがいるにも関わらず、他の人、もしくは風俗に行って性感染症に感染してしまった場合です。この場合、病気をうつしてしまっているかもしれないという点に加え、感染経路の説明から浮気の話に及ぶため、パートナーからの信頼を一気に失う可能性が高いです。しかし、浮気をして性感染症にかかってしまったのであれば100%非が自分にあるので、認めて全ての責任を取らざるを得ないでしょう。今後二度としないことを誓い、今後の言動で反省を示せば話し合いに応じてもらえる可能性はゼロではありません。
性感染症にかかってしまった場合、相手に伝えず隠してしまうケースもよく耳にします。特に浮気をしてしまった場合、関係が破綻すること、自分が責められることを恐れて自分を守るためにそのような考えになることは容易に想像できます。
しかし本当に大事なことを考えてみてください。性感染症は無症状、無自覚の場合も多いです。知らず知らずのうちに病気が進行し、不妊やいきなり重たい症状になるようなことさえあります。大事な人はもちろんのこと、少しでも関係を持った相手に対して、その人が不幸になる可能性があることを無視していいわけがありません。
確かに自分が責められることを素直に話すのは相当な勇気がいります。失うものも大きいでしょう。しかし、一人の人間として正しいことをしっかりと考え、誠実に向かい合うことが大事だと思います。結果的には隠し事をせず真正面から話し合いを行えたカップルの方が関係を修復できているケースも多いようです。
隠した結果、実は相手に病気をうつしていて、無自覚のまま妊娠した後に発覚など最悪な事例も少なくありません。自らの行動には常に責任を持ち誰かが不幸になるような行為は避けましょう。
付き合う前に感染していたケース
こちらは相手の度量と関係値次第で対応がかなり変わってくると思います。性病の恐ろしいところは長い潜伏期間にあります。通常、相当リスクの高い行為を自分で行ったと思わない限り、症状が出ないのであればわざわざ検査をする人はかなり少ないと思います。そのため、過去の行為で感染していることに無自覚のまま新しいパートナーと関係を持ってしまうケースは少なくありません。本来正式に付き合う前の話であれば、新しいパートナーに対して不義理を行ったわけではないので、正直に話して相手の検査予約、同伴、治療費の負担までしっかりサポートを行い会話ができれば、相手も正面から向かい合ってくれることも多いです。ですので、正直に相手に打ち明けることが正しい対応です。
しかしこの場合も、相手に言わず隠す人が多いのも事実です。”浮気をしてしまったケース”でも記載した通り、放っておくと相手が不幸になる可能性がありますので必ず正直に打ち明けましょう。
もちろん正直に話したからといって必ずしも良い結末を迎えるわけではありません。例えば寄せられたエピソードの中にはこのようなものもありました。
新しい彼女ができてウキウキしていた頃、陰部に潰瘍ができたため怪しいと思い病院で梅毒の検査を行ったところ陰性でした(念のため2箇所の病院にかかったそうです)。最終リスク行為からは約2ヶ月経っていたため(彼女が出来てからの浮気ではない)、病院の先生にもまず梅毒にはかかっていないと言われ、その後症状(潰瘍)も治ったことから安心して新しい彼女と関係を持ったそうです。しかし、彼女と行為をもった数日後急にバラ疹の症状が体に出現れたため病院に。念のため再度検査を行うとなんと今度はまさかの陽性に。自分が病気をうつされたということだけでも相当ショックですが、まずは彼女にうつしてしまっている可能性を最優先に考え、その日のうちにすぐに彼女を呼んで全てを正直に伝えたそうです。
男性は梅毒以外の病気はなかったそうですが(症状が出ていないものも含め自分が検査を行えば相手が感染する可能性がないため梅毒以外の性病検査も受けられる範囲で全て受けた)、彼女は信用しなかったのか梅毒以外の検査から(どこまでを指しているか不明)他の性感染症のワクチン(おそらくB型肝炎とHPV)まで受けると言ったそうです。
自分に非があることを認めていた男性は特に反論することもなく全て承諾。最初から責任は全て取るつもりだったため、検査予約から付き添い、費用は全て持つと提案したが、彼女は費用の支払い以外は全て拒否。
他にも男性は出来ることを全てやろうと思い、感染源となった可能性のある女性にコンタクトを取り梅毒感染の有無を確認したそうです(感染源の子にも伝えた方がいいという意味もあり)。ところがその女性は検査では陰性だったと言うのです。その女性以外は彼女としか行為をしていないため(一度検査をしているため、もっと前の感染は流石にありえない)、念のため彼女にその旨を連絡。彼女を疑うというより、もはや感染経路が分からなくなり、万が一彼女の方が先に感染しているのであればすぐにでも検査をした方がいいと思い、心配になり連絡をしたようです(男性が病気になる辛さを一番知っていたこと、また彼女との行為は検査による陰性と陽性の間の期間だったため、実は医者からも彼女の可能性があると言われていた)。
ところが自分の方が疑われたと思った彼女は大激怒。深夜に長文で男性を非難し、まだ自分は検査をしていないにも関わらず、男性側に各種検査(梅毒以外の検査は何を指しているかは不明)やワクチン(こちらもどこまでを指しているかは不明)の費用を自分で見積もって先に支払え、連絡は一切してくるなと一方的なメッセージを投げつけてきたそうです。。
ただでさえ病気にかかりまいっていた中、この強烈なメッセージを受け、男性側は軽いストレス障害が出るほど精神を追い込まれたそうです。ちなみに最初に打ち明けた時点でフラれたそうです。もちろんあくまで男性側の一視点なので、女性側は女性側の意見があると思います。
ある意味性感染症になるとその人本来の性格が垣間見れるかもしれません。感染した側はどこまで正直に誠意と責任を持って対応できるか、パートナーはどこまで相手を許し話し合いをすることができるか。
どちらにせよ性感染症になると特定のパートナーがいるのであれば必ず重たい話になります。それはいとも容易くお互いの関係性を壊します。
少しでもリスクのある行為は避け、性感染症にかからないように予防することは、体、心、人間関係全てに影響を及ぼしますので常に最新の注意を払いましょう。