病院に行かずに自分で自宅でできる指先血液検査キット。指先から少量の血液を取るだけで、病院で行う採決検査と同じような精度で結果が出るのか?
今回は指先血液検査キットの精度に関して見ていきましょう。
血液検査はどのように検査されている?
分離します
血液は血球(赤血球、白血球、血小板などの細胞成分)と、血清(液性成分)からできています。病院の採決検査も、指先血液検査キットも、どちらもまずは血漿の分離や血液の取り分けを行います。
分離したものを各項目ごとに検査
分離した血液を元に項目ごとに検査します。例えば、生活習慣病リスクや腫瘍マーカーなどはそれぞれ別々に検査されるのです。
検査に必要な血液量はどのくらい?
実は検査に必要な血液量は0.01ミリリットル程度なのです。
血液量が最も必要と言われている検査は血清血糖値を測るものでも0.02ミリリットル程度です。
どちらにせよ、ものすごく少ない量で済んでしまうことがわかりますね。
病院の採血検査のイメージが強いので、試験管何本も検査には必要と思いがちですが実はそんなことはなかったのです!
病院の採血検査ではなぜ血液を多く摂取するの?
病院の血液検査は健康診断やアレルギーチェックなどで経験のある人が多いと思いますが、先ほどの話から考えるとかなり多くの血液を採っているように思えますよね。
実際、注射器1本分くらいの血液を採取される場合が多いです。
注射器は小さいものでも1ミリリットルの容量がありますので、検査に必要な量の100倍以上採取していることになります。
実際100個別の疾患を検査するということはまずないので、過剰なように思えますが、そんなことはありません。
その理由は大きく二つあります。
血清の分離で量が減る
血清の分離は様々な方法があり、血液検査で通常に行なわれている手法においては量が減少してしまいます。
言い換えれば、1ミリリットルの血液を採取したとしても実際の検査に回せる量は少なくなってしまうということです。
検査がうまくいかなかった場合の予備
血液の検査は厳格な管理体制の整った研究所で行なわれますが、全て自動化されているわけではないので中には失敗してしまう場合も考えられます。
また、1回の数値であまりに異常な数値が出てしまった場合はもう一度同じ検査をやり直す、ということも考えられます。
そういった場合に、また採血からやり直すのではなく余った血液で検査をするということが可能になるのです。
なぜ指先血液検査は少量で良いの?
これに対し、自己採血による指先血液検査はごく少量の血液から採取しません。
指先血液検査では、これでも大丈夫な仕組みがあるのです。
血清の分離方法が異なる
指先血液検査では、非常に効率的な検査手法を用いています。
この手法では、血液量を無駄にすることなく血清の分離を行うことができるのです。
そのため、採血量自体は非常に少なくて済むのです。
目的が明確
指先血液検査ではがんリスク、生活習慣病、感染症など、項目別に検査キットが分かれています。
そのため、項目数の多いアレルギー検査や、多くの検査を同時に行う場合と比較して必要な血清量も少なくて済むのです。
指先血液検査の精度まとめ
以上のように、自分でできる指先血液検査は少量でも病院の血液検査と遜色ない信頼性のある検査であるということがわかりました。
目的が明確で、かつ保険が利かない検査、時間がなくて病院になかなか行けない人に対しては非常に有力な検査方法といえるでしょう。