近年急激に流行しているとはいえ、若い世代では名前すら聞いたことがない人も多い梅毒。そもそも梅毒はなぜこのような病名になったのでしょうか?
よくよく考えると病名に毒という直接的な名称がついているものも少ないので、なかなかえげつないですよね^^;
名前の由来はバラ疹から
さて、梅という由来はどこから来ているのか?
このサイトの購読者や梅毒を調べられた方であればバラ疹と言われてすぐにピンと来るかと思いますが、梅毒第二期に見られる症状のバラ疹が名前の由来です。バラ疹は梅毒のかなり特徴的な症状で、しかも他人の目にも写りやすいです。バラ疹に見られる赤い発疹が、「楊梅(ようばい=ヤマモモ)」に似ていることからこの病名がついたそうです。
そのため当初は、梅毒という呼び名ではなく、見た目そのまま「楊梅瘡(ようばいそう」と呼ばれていたそうです。それがそのうち、「楊」の字を略して「梅瘡」となり、「梅毒」となったそうです。
梅毒の様々な呼ばれ方
梅毒という名前が定着するまでには様々な呼び名がありました。中でも有名なのが「花柳病(かりゅうびょう)」です。花柳界とはいわゆる遊廓、色町、花街(はなまち)等のことを指し、性病ということもありその界隈で大流行したためそのように呼ばれたと考えられます。
日本で梅毒の最初の呼び名は1512年の医学概論書に登場する「シナ潰瘍」とされております。
中国の医学書では李毒、李潰瘍と記載されていたため日本でもそのように呼ばれたり、唐瘡、琉球瘡、南蛮瘡、黴(かび)瘡、天疱瘡、単純に瘡(かさ)という呼び名や、遊女がかかった場合には別に鳥屋(とや)とも呼んだそうです。他にも江戸時代には湿毒などの呼び名もあるとのことで、これだけの呼び名があるということは如何に梅毒が蔓延していたのかを物語っていますね。
海外諸国における呼び名がまた興味深く、当時の各国の関係性をダイレクトに表しています。
イギリス:フランス病
フランス:ナポリ病
イタリアでは:スペイン病
ポルトガル:カスチリア病(カスチリアはスペイン)
ロシア:ポーランド病
ポーランド:ロシア病