性感染症にも予防のワクチンがあるのをご存知ですか?
専門用語ではワクチンで防げる病気のことをVPDと呼びます。Vaccine Preventable Diseasesの略で、各々の単語はVaccine=ワクチン、Preventable=防げる、Diseases=病気という意味を持ちます。
どんな病気が対象?
B型肝炎ウイルス(HBV)
B型肝炎が性感染症だと知っている人は意外と少ないです。原因ウイルスであるB型肝炎ウイルス(HBV)は体内に入ると肝炎をおこし、慢性化すると肝硬変や肝臓がんを起こす恐ろしい病気です。非常に感染力が強いウイルスです。
ワクチンの接種回数は初回、4週間後、6ヶ月の原則3回です。また、ワクチンの抗体持続期間はワクチンの種類によって違い、ワクチンの種類は3種類あります。
国内産 B型肝炎ワクチン:持続期間5年(3回接種後)
輸入 B型肝炎ワクチン(EngerixB): 持続期間15〜20年(3回接種後)
輸入 A型肝炎・B型肝炎混合ワクチン(Twinrix): 持続期間15〜20年(3回接種後)
費用は自由診療になるため、病院によって値段は違います。東京の病院の例を以下いくつか記載しますのでご参考までに。
病院A
病院B
病院C
ヒトパピローマウイルス(HPV)
ヒトパピローマウイルス(HPV)に関しては男性で知っている人は滅多におりません。というのも、HPVは男性が感染しても病気になることが極めて稀なため、世の中の男性はHPVのことを知る機会がほとんどありません。そのため、ウイルスを持っているにも関わらず、意図せず女性に感染させてしまうことも多いのです。
女性がHPVを子宮入り口の「子宮頸(けい)部」と呼ばれる部分に感染すると、子宮頸がんに進行することがあります。HPVは150種類以上あり、主に性交渉によって感染します。性交渉の経験がある女性の約80%が生涯一度は感染するといわれている、ごくありふれたウイルスです。
HPVの6型と11型は、外陰部や膣に見られる尖圭(せんけい)コンジローマという性感染症の主な原因にもなります。
HPVワクチンは2種類あります。接種回数は共に原則3回で初回、1〜2ヶ月後、6ヶ月で行います。また、持続期間は約20年と言われております。
サーバリックス(2価ワクチン):HPV16・18型(子宮頸がんなどを起こす)
ガーダシル(4価ワクチン):HPV16・18型(子宮頸がんなどを起こす)、HPV6・11型(尖圭(せんけい)コンジローマなどを起こす)